2007年7月31日火曜日

渋谷殺人事件:産経新聞引用

渋谷の妹殺人「180秒首、締めた」 父親は妹の生活態度語る

 東京・渋谷の裕福な歯科医師宅で、妹を殺害した上に遺体を切断するというシ
ョッキングな事件を起こし、社会に衝撃を与えた武藤勇貴被告(22)は、東京
地裁で31日に開かれた初公判で起訴事実を認めた。両親が「優しく、家族に暴
力を振るったことは一度もなかった」としていた勇貴被告は被告人席で身動きす
ることなく、妹の亜澄さん=当時(20)=を殺害するに至った経緯を詳述する
検察官の言葉に耳を傾けた。

 勇貴被告は白のワイシャツに紺色のズボン姿で入廷。頭髪は丸刈りが伸びたよ
うだった。首元までボタンを締め、長袖もまくらず伸ばしたまま。秋葉康弘裁判
長に証言台の前に促されると、「よろしくお願いします」と一礼した。

 「武藤勇貴と申します」。名前を尋ねられ、はっきりした口調で述べた。現住
所は「東京拘置所にいます」。犯行があった渋谷区内の住所は、口にしたくない
ような様子だった。

 「ドラマで180秒首を絞めれば人は死ぬという場面を見たような記憶があっ
たことから、1から180まで数えながら(亜澄さんの)首を締め続けた」

 検察官の朗読する冒頭陳述が、亜澄さん殺害の場面に至ると、被告人席に座っ
た勇貴被告は、ときおり肩で大きく息をしながら、目をつむり続けていた。

 証拠調べに入り、検察側、弁護側双方が調書内容などを読み上げる際も、背筋
を伸ばしたまま、目をつむり聞いていた勇貴被告。検察側が、犯行に使用したタ
オルなど証拠物を示すと、証言台の前で小さくうなずき、自分のものであること
を認めた。

 弁護側が「亜澄さんの遺体についた髪の毛が気持ち悪く、何度もシャワーで洗
いながらゴミ箱に捨てた」とする勇貴被告の供述調書を読み上げても、表情を変
えず、目を閉じたままだった。

 その後、弁護側の証人として父親が入廷。勇貴被告は目を閉じたまま、顔を合
わせようとしない。父親は、勇貴被告を「皿から落ちた菓子も食べない潔癖性だ
った」と話し、亜澄さんのことは「非常に気が強く、人の話を聞けず、感謝の念
に欠けていた」と話した。勇貴被告は父親の証言を、時折口をかみしめるように
しながら、目を閉じて聞いていた。

 「亜澄が家出から戻ってきても、謝ったこともない。強い態度を取って『また
出ていく』といわれたこともあります」

 父親の口からは、亜澄さんの生活態度の問題点が次々に語られた。

 また、亜澄さんが友人に「他の兄弟と差別されている」などと話していたこと
についても、父親は「自分の思い込み」と否定した上で、「人に哀れんでもらっ
て、自分に対する気を引いて優しくしてもらいたかったんだと思います」と証言
した。

 「今、勇貴被告に言いたいことは」と弁護人から問われ、「勇貴には家庭内の
事情を伝えておけばよかった」と背中を丸め、家庭内のコミュニケーション不足
を反省する父親の姿を、勇貴被告は少し身を乗り出すようにじっと見つめていた
。しかし父親が証言を終え、退廷する際は、一度も父親をみることはなかった。

 関係者によると、勇貴被告が拘置されている東京拘置所には、両親や兄が接見
に訪れ、差し入れなどをしている。今年1月に逮捕されてから拘置が続いている
が、体調も崩していないという。

 勇貴被告は、接見した弁護人の前で「マスコミの取材で仕事ができなくなって
しまうのではないか」などと、両親を気遣っていた。

 一方、亜澄さんに対して「傲慢(ごうまん)だ。ヒステリックだ。恩知らずで
わがまま」などと厳しい言葉を浴びせたこともあった。また、「亜澄の頭の上に
タオルを乗せて血を止めている夢を見た」などと話し、涙ぐんだこともあったと
いう。

 弁護人によると、初公判で証人出廷する両親と兄は、勇貴被告に厳しい処罰感
情を抱いていないという。

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