2007年11月26日月曜日

昏睡強盗公判傍聴記 「危うき夜の歌舞伎町」

怪しい光を放つ夜の町、新宿・歌舞伎町−。あなたも狙われていたかもしれない
。昏睡(こんすい)強盗と窃盗未遂の罪で起訴された2人の被告の初公判を東京
地裁で20日、傍聴した。

 1人は、細身で上下白色のスーツに、長髪を後ろできれいに束ねた男性被告(
41)。もう1人は、短髪で横じまのボーダーシャツに濃紺のズボンを着て入廷
した男性被告(34)。

 検察側の冒頭陳述によると、長髪の被告はゲイバーの従業員やキャバレー経営
をした経歴を持ち、犯行現場となったスナックの経営者で、「れいこママ」、「
れいこさん」と客や従業員に呼ばれていた。短髪の被告は同店の従業員。

 2人は、今年5月新宿区歌舞伎町で、他の3人と共謀、路上を酔っぱらって1
人で歩いていた男性(21)を「うちに飲みにこない? 2時間で2000円」
と誘って店に招き、ウオツカを混ぜたウイスキーの水割りなどを飲ませて泥酔さ
せ、財布から現金3万9000円などを奪った。

 さらに、泥酔状態の男性にクレジットカードでの支払いを勧めて暗証番号を押
させ、その番号を元に盗んだカードで男性の口座から現金を引きだそうとした。
しかし、暗証番号の入力ミスなどを繰り返して引き出しに失敗。男性を路上に放
置したという。

 裁判長に罪状認否を問われ、従業員の被告は素直に認めたが、経営者の被告は
「あたしは、客引きで経営者ではありません。あたしは、お金とカードを取るた
めにお酒を飲ませたわけではございません。お金とカードは取っていません」と
たんかを切り、昏睡強盗と窃盗未遂の両罪を否認した。

 昏睡強盗は、刑法239条で規定された犯罪だ。相手を殴ったり脅したりして
いるわけではないので、通常の強盗よりも軽い刑に処されるような気もする。し
かし、同条を読んでみると、「人を昏睡させてその財物を盗取した物は、強盗と
して論ずる」と、はっきり書いてある。

 相手方の反抗を抑圧して金品を奪うという点は同じでなので、通常の強盗罪と
同じ5年以上の有期懲役という重い刑を科される凶悪な犯罪なのである。

 安易にお金を稼ごうとした代償は大きい。罪状認否で否認した経営者の被告の
弁明が注目される。被告人質問が次回公判(10月5日)から始まる。
(西尾美穂子)

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